例えば『この前食べた1000円くらいの料理が微妙だったんだよねぇ〜』なんて話をしてたとするじゃないですか。 すると横から『いいえ、あの料理は1098円です。消費税込なら1185円です。間違った数値は使わずちゃんとした値を述べてください』なんて言われたらどうだろうか。

 

こっちは料理が微妙だった話をしているのに、どうでもよい細かいところを指摘してくるとか死ぬほどイラッと来ますね。 1円単位まで割り勘でもするのでしょうか。 絶対女性にモテません。

 

と、いう話をしたいわけではなくてですね。 今回のブログの目的は、普段の私が数字関係をどのように考えているかということ。 ついでにそのテクニックを皆さんに知って欲しいと思い書くことにしました。

 

大事な場面以外、基本的に正確な数値を求めることは悪手

実は昔、私は営業職に就いていました。 正直あまり良い思い出はありません。 しかし、営業職を経験したからこそ学べた知識経験というものがあります。  

その中の1つで『細かい数字を求める奴は仕事ができない』ということを学びました。 かなり極端な言い方なので、他業種で細かい数字を使う方からするとムッっとくるかと思います。 私が言いたいのはあくまで『基本的に』なので、細かく数字を使う必要がある職業の方は気を悪くしないでくださいね。

 

では、なぜ細かい数字を求める奴は仕事ができないか。 たとえば、こんなシーンがあったとします。

 

『御社の商品に2つの追加サービスを3部署につけたとしたら、どれくらいの値段になりますか?』

 

これは実際あった商談で、当時の私は資料を元に計算しようとしていました。 まぁ右も左もわからない新人だったこともありますが『あ、やっぱいいです。次の時間もあるので。』と言われたことがあります。

 

別の日に先輩の営業へ着いて行った時、自分の反省点に気が付きました。 先輩は細かい部分をあえて省き、最低限の値段を順序立てて説明して『およそ、これくらいになるかと思われます。詳しい部分は後日お伝えしますね。』というコミュニケーションをしていたのです。 この時の商談はスムーズに事が運んでいました。

 

ああ、あの時のお客様は『正確な情報ではなく、まずは規模感を知りたかった』のだと。 とにかく正しく間違いない情報を伝えようとしていたことは『相手が本当に必要としていたことではなかった』わけであり、むしろ余計なお世話だったんです。

 

『自分がやっていることに満足していただけで仕事が出来ていたわけじゃなかったんだ』と、当時は学ぶことが出来ました。

 

論理的に求めれば大雑把な数でも正解に近いモノが導ける

もちろん、答えるならば限りなく正解に近いものを答えるべきでしょう。 ただし、桁数を間違えるなどの大きな誤差じゃないかぎり、ざっくりとした計算でも正解に近い値が得られます。 このような概算方法を数学の世界で『フェルミ推定(フェルミ問題)』と呼びます。

 

これを初めて知ったのは以下の書籍を読んだ時でした。

フェルミ推定の具体的な例を見てみましょう。  

フェルミ推定で特に知られているものは、「アメリカのシカゴには何人(なんにん)のピアノの調律師がいるか?」を推定するものである。 これはフェルミ自身がシカゴ大学の学生に対して出題したとされている[6]。

この問題に対して、例えば次のように概算することができる。

まず以下のデータを仮定する。

シカゴの人口は300万人とする シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする 10世帯に1台の割合でピアノを保有している世帯があるとする ピアノ1台の調律は平均して1年に1回行うとする 調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする 週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする

そして、これらの仮定を元に次のように推論する。

シカゴの世帯数は、(300万/3)=100万世帯程度 シカゴでのピアノの総数は、(100万/10)=10万台程度 ピアノの調律は、年間に10万件程度行われる それに対し、(1人の)ピアノの調律師は1年間に250×3=750台程度を調律する よって調律師の人数は10万/750=130人程度と推定される

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%9F%E6%8E%A8%E5%AE%9A

 

もう少しわかりやすい例で考えてみますか。 以下は企業の就職試験で実際に出題されているフェルミ推定の問題だそうです。

 

『今地球上では何人寝ているか』について一緒に考えてみましょう。

 

まず地球上に人は何人いるのか。 ここでクソ真面目な奴は総務省の統計データから正確な値を取得しようとします。

 

落ち着きなさい。 ざっくり70億人くらいでいいのです。 ひとまず70億人で考えます。

 

人が寝ている時間を考えてみましょう。 普通は夜になって、そこから平均6時間くらい寝ると思います。 いや、ここで不眠症の人もいるとか、夜には寝ない人も一定数存在するだろとか言うのマジでやめてくださいね。

 

1日は24時間なので、人類皆が夜に6時間は睡眠を確保すると考えれば

 

24/6=4

 

なので、今現在24時から6時のところが地球上の4分の1あるはずです。 したがって、今地球上では何人寝ているかという問題は

 

70億人/4=17.5億人

 

くらいであると予想できますよね。

 

 

本当に欲しい情報は人によって違う

先程までの例は非常に大きな数値を扱っています。 フェルミ推定は主に大きな数を求めるためのモノのように思えますが、そんなことはありません。 これの本質は『最適な数値を使って論理的に粛々と計算すること』です。

 

私のブログはスプラトゥーン2読者が多いので、それを題材にフェルミ推定を活用してみましょう。 といっても私のツイートを見てくださっている方ならご存じかと思いますが、実は過去にその計算をしているのです。

 

そう……2019年6月26日にVer.4.9.0が配信された時に呟いた『ペペペ算』です。 『ペペペ算』はフェルミ推定のような考え方に過ぎないのです。

 

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ツイートにもありますが、結果としてその通りになりました。 念のため動画も載せておきます。

↓8ペペ(くらいに俺は聞こえるよ)

↓10ペペ(くらいに俺は聞こえるよ)  

とりあえずハイプレがどれくらい弱体化したか正解に近いものを知ることができたので、目的としてはこれで十分だったのです。 確かに壁越しなら威力減衰してる。 ダメージ表記が出ないこのゲームで音は重要なので、頑張れば音で自分の体力の猶予がわかるな、と。

 

よって、このあとに『1Fのダメージ』がどうだの『音は音だけで正確なものではない』というよう指摘をされても大きなお世話なのです。 なぜなら私が知りたかったのは『正確な数値ではなく規模感』でしたし、ましてや『予想は大きく外れていなかった』のですから。

 

ゲームを例に出しましたが、このような考え方は冒頭辺りで書いた通りビジネスの世界でも使われてます。 『誤差のある情報よりも正しいことを教えた方がいいに決まってる!』と、数字や正論を投げつけても相手の求めていることは満たせないんですよ。 『相手が知りたいことは何なのかな?』というのを適切に判断し、必要な数字や情報を提供することが大事なんです。

 

明らかに間違った情報を与えなければいいんですよ。 病院みたいに命が関わるわけじゃないんだから。

 

 

HaLucinaは基本、大雑把に数字を求めます

ここまで読んでいただいた方なら、私が『大雑把に数字を求める人物』だということがお分かりいただけたでしょう。 だからといって何でもかんでもフェルミ推定のような考え方で片付けているわけではありません。

 

たとえば、以下の記事のようにキチンと正確な数字を自分調べたり、引っ張り出して作った記事なんかがそうですね。

 

 

 

相手が詳しく知りたいであろう、もしくは概算じゃないデータ(数値)を伝えたい時は正確に掲載しているつもりです。 特にブログでは、せっかく検索して来てくださった人もいるわけで、その人のためにも正解に近い確かな数値を用いるよう努力しています。 なので当ブログ等で間違った数値を見つけたり、誤字脱字があれば教えてもらえるとありがたいです。

 

逆に140文字でしか表現できないTwitterという便所の落書きでは、いちいちそんなこと気にせず書いてます。 そんな神経質にやってたらハゲるわボケ。

 

ということで、どうしても気に入らないのであれば見なくて結構だし、基本は上述の考え方で数値を出していることをご了承いただきたいですね。。 疑問に感じて議論をふきかけるのは全然OKですよ。 ただし、大きな間違いでも無いのにクッソ細かく指摘してくることは No thank you です。