TwitterのTLに目をやると 画像をいじってXパワーを任意の数値に変換するツール が世に放たれたそうな。

もちろん、この記事内でリンクを貼るつもりは毛頭無いので、興味がある人は自分でググってください。

この記事のタイトルは「ウデマエ詐欺について思うこと」としてあるが、決して製作者を非難する目的ではありません。

どちらかといえば、これを切っ掛けに あるドラマの内容について思い出したので、自分も何か作る際には気を付けよう と戒める為に書こうと思い立ちました。

作らない方がいいものだったと思う

冒頭でも言いましたが 製作者を非難するものではありません。

製作者の名誉の為にココでも記しますが 「ウデマエ詐欺を見ることに嫌気がさしたので、目を肥えさせるため作成した」 とのこと(この文章は原文をかなり改変してます)。

実際にこのツールで悪用しようとしても加工であることが判明する仕組みもされているようです。今のところ利用者は身内ネタで使っていて、XP9999などあり得ない数値にして遊んでいる雰囲気でしたね。

ただ、私個人としては、目的はともかく作らない方がいいものだったように思えます。

なんでかというと、 パッと見で嘘かどうか判断しづらいウデマエ詐欺画像を作れる人が増えちゃう恐れがある からですね。

画像でウデマエ詐欺をするなら、ある程度画像編集できる技術がないといけなかったのですが、このツールの登場によってそのハードルが下がってしまいました。

スマホかパソコンからアクセスして画像を用意して数字を入力しちゃえば誰でも作れてしまいます。グラデーションやら切り抜きをする手間も無し。

先でも書いた通り加工であると見抜く方法があります。これを悪用したとこで嘘はすぐにバレるでしょう。

しかし、一番の問題は、こういったツールが横行することで ウデマエ詐欺をしていない人達にも疑いの目がかけられる ことでしょう。

このツールの登場によって、本物かどうかと画像が無駄に疑われれてしまうようになるでしょうし、動画など他の証拠も合わせて提示しなければならない手間も掛かります(といっても、最近のウデマエ詐欺のせいですでに手間が掛かっているのが現状だが1)。

スプラは10代のユーザ、要は小中学生が多いゲームです。ネットリテラシーが未熟だという観点から製作者の意図しない使われ方をする可能性が高いです。

この件に関して 腕前詐欺助長ツール と呼ぶ人を見かけましたが、そう思われるのも仕方がないでしょう。

別にこのツールが無かったからといってウデマエ詐欺画像が消えるわけじゃないですし、いろんなアプリを併用すれば誰だって作れちゃう話なんですけどね。

作った後のことも一緒に考える

あのツールはネタで使う分には凄く面白いと思います。しかし、使う側の人間が思い通りに使ってくれるかといえばそうじゃありません。

私もモノづくりのひとりとして思うところは、使う側がちゃんとしていないだけでモノに罪は無いという考えを半分持ってます。

ただ、もう半分は 「自分が何か作ろうとしたモノが、作った後どんな影響を及ぼすか」 についても考えるようになりました。

その切っ掛けとなったのは2008~9年に放送されていたドラマ 「ガリレオ」 からでした。

「ガリレオ」第九回 2

 さて、死体が発見された公園に行った二人はいたるところに不法投棄された廃材を目の当たりにする。 マスクの材料も捨てられた廃材だった模様。

 「科学文明が発達してもそれを扱う人間の心が進化していかなければこういうことは繰り返されていく」湯川 「使う人間だけの問題ですか? 科学を生み出している科学者にも責任はあると思いますけど?」薫 「科学者は純粋なだけだ、そうでなければ劇的なインスピレーションは訪れない」湯川

(中略)

湯川は公園の現場でゴミ処理業者のおじさんと知り合う。 「俺はみんなにいつもこういうんだ。 こうすれば世の中便利になるとか、こんな道具があればいいって考えるだけじゃだめだって、な? もちろん、捨てる人間が悪いんだよ。 けど学者先生なら、こんなもん作ったらゴミが増えるんじゃねぇか、 世の中悪くなるんじゃねぇか、一緒に考えてくれよ、 それがホントに頭のいい奴ってもんだろ?」おじさん 「おっしゃるとおりです」湯川

ドラマとはいえ、おじさんのセリフはモノづくりに携わる人達が必ず頭の片隅にでも置いて置かなければならないものではないでしょうか。

今回の件を知った時に、ふと、このことを思い出したという話でした。


  1. 第5回splatoon甲子園:オンライン甲子園春で起きた誹謗について ↩︎

  2. トリ猫家族 TVドラマや映画のあらすじや感想、ときどき同居猫のことなど・・。 ↩︎