根性の本来の意味
根性という言葉に対して嫌悪感を抱く方は一定数存在するでしょう。なぜなら「化石世代」のおっさん達が大好きな言葉だからです。
奴らは根性という言葉を魔法や万能薬かのように(ツバを撒き散らしながら)放って来ます。
目次
世間一般の「根性」は間違った使い方
世間一般の「根性」について、誰しも一度は言われたことありそうな根性論を思いつく限り列挙してみます。
- 頑張れば間に合う。頑張らないから間に合わない。
- 出来ないのは頑張ってないから。
- そもそも努力が足りない。死ぬ気でやってみろ。
- 失敗やミスはやる気がない証拠。
- 何で出来ないの?やる気ないの?
- 気合があれば乗り越えられる。
- 皆が頑張っているのに自分は頑張れないのか?
- 今までそうやってきたんだから、お前も出来るはずだ
- 俺の若い頃はもっと大変だった……。
- 今は辛くても耐えれば結果が付いてくる。
- 今より楽なとこへ行けば人生ダメになる。
などなど……あー書いてて吐き気がしてきました。化石世代ほんと嫌い。
さて、これらの共通点が何でしょうか。それは「具体的な根拠が無い or 他人が決めた虚無の目標」に向かって走らせようとすることです。
根拠も明確な目指すとこも何も提示できないけど、とにかく気持ちがあれば成せるという考え。とにかく強制的な軌道修正をさせる行為です。
このように物事が上手くいくかいかないかについて微塵も考えず、感情だけで訴えることを「精神論」と言います。「気力で乗り切る」「やる気があれば何だって出来る」といったものがそうです。
世間一般の根性あるいは根性論の正体は精神論です。つまり世間では根性と精神論が同義になっているということです。
本来の「根性」は「粘り強く、やり抜く力」のこと
根性について調べてみると以下のような説明が出てきます。
1 その人の本来的に持っている性質。しょうね。また、あるものに特有の性質。「根性の腐った奴」「島国根性」「やじ馬根性」
2 物事をあくまでやりとおす、たくましい精神。気力。「根性のある人」「見上げた根性の持ち主」
引用:goo辞書
本来「根性」というのは「粘り強く、やり抜く力」のことを指します。上記引用でいうとこの2が根性の正しい意味なのです。
したがって根性の本来の姿は、粘り強く進む力のことであり、自らの将来または長期的な目標に向かってやり抜こうとする際に引き出される力のことです。
英語では「Guts」と訳されますが、アメリカの心理学者「Angela Lee Duckworth」教授は「目標に向けた情熱」そして「やり抜く力(根性)」のことを「GRIT」と提唱しました。
GRIT(グリット)とは
- Guts(ガッツ)
- Resilience(レジリエンス)
- Initiative(イニシアチブ)
- Tenacity(テナシティ)
これら4つの頭文字を取ったもので、これを「成功者に共通する力」であると結論付けたものです。このことから化石世代が大好きな根性は「GRIT」の一部でしかありません。
ましてや「GRIT」は化石世代のような他人へ根拠の無い鼓舞をするため使うのではなく、むしろ育てるべきものだと述べています。
やり抜く力とは超長期目標に向けた情熱や忍耐力でスタミナがあることでもあります。
やり抜く力は明けても暮れても自らの将来にこだわることです。
その週だけとかその月だけではなく、何年もの間、一生懸命に取組み、その夢を実現することです。
やり抜く力は 短距離走ではなく マラソンを走るように生きることです。
相手の根性を引き出す方法
根性は「やる気が湧き上がってくると引き出すことが出来るもの」です。結論から述べると、やる気を起こす仕組みを作ることで根性のある人になります。
「根性が無いのはやる気が足りない」というのは誤った常識です。やる気を当てにして根性を出そうという考えは間違ってます。
。私の過去記事で何度も述べています。
具体的に言うと、スポーツで精神論を植え付ける人がそうです。
出来なかったことは細かくグチグチ言ってくるくせに、解決策を『根性が足りない』などの精神論で片づけています。
最低でも精神論ではなく方法論を伝えなければ適切な指導とは到底言えません。
さて、結局何が言いたいかと言うと『リーダーの役割を持つ人は、個人のやる気を当てにしてるうちは無能』だということです。こいつは使えないと言っているようなチームリーダーは『私は仲間を奮い立たせるようなカリスマを持っていません』と公言していることと同じなんです。
では相手のやる気を養うには、どのようにしたら良いのでしょうか。例えば
- 正しいことを褒める
- ポジティブに賛同する
- 能力ギリギリなことや、本人が無理だと思うことをさせる
- ただし、背中を押してあげる
など、私の経験上、昔の恩師に教えて貰った「ポジティブ・改善のフィードバック」がそれを引き出す方法であると確信しています。
また、「GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代」という本の中でも「根性を養う秘訣の一つは、目のまえの仕事をより興味深く、やる気の出るものにすること」という記述があり、まさしく私と同じ方法論が書かれています。
ただし注意点があります。根性を養う為、指導者がやる気を引き出す意識を持つことも大事ですが、逆に指導を受ける側にも「根気」がある人物か見極める必要があります。
私が思うに「根気」がない人は、以下の記事で書かれている「素直じゃない人」「嘘をつく人」「利口ぶる人」だと考えています。
このような人達に対しては、いくらこちらでやる気を引き出そうとしても無駄に終わることが多いです。受け手側にも「やり抜く力」が全く無いというのもダメなんです。
一方的な根性は空回りします。よって師弟関係や上司部下、教師と生徒の間で良い関係を築くには、“根性がある者同士"であることも大事なのです。