この間、災害に関する消防の講演会に参加する機会がありました。地震や避難時の注意といった内容でしたが、ひとつだけ大きく印象に残った話をされた救急隊員の方がいました。

その時の話は皆さんに共有したいと思い、このような形でブログにまとめることとしました。

目次

そもそも地震が多い県ってどこか?

本題の前にとても勉強になった知識を少し共有します。まず、2011年1月から2020年6月までの期間、 震度1以上の地震 が観測された回数でランキングにすると以下のようになるみたいです。

順位 都道府県 回数
1 福島 7337
2 茨城 6614
3 宮城 5614
11 東京 2003
47 富山 158

震度1以上の観測が対象なので非常に多く見えますね。なかでも上位3つは東北。9年間で7000以上も観測されているようです。

さすが地震大国……。福島に関しては毎日2回以上発生しているじゃないですか……。

地震が多いという漠然としたイメージを具体的な数字に表すと現実味を帯びますね。しかも他人事じゃないから怖い。

実際に被害が起きるレベルじゃないにしても11位の東京だって2日に1回地震が起きているということですからね。

地震自体も怖いものですが、地震による二次災害も気をつけなければなりません。津波とかね。

その際、水で道路が氾濫したら地面が見えなくなります。地面が見えないということは、穴が空いていてもわからないということです。

したがって、氾濫した道路を歩かなければならない時は長い棒を持って先が大丈夫か確認しながら歩くといいらしいです。

災害時は通い慣れた普段の道だと思わないことが大切なんだとか……。マンホールが開いて落ちる人もいるみたい。

今までの人生でそういったことに遭ったことが無いので、いざという時は気をつけなければ(';')

自然災害よりも人間の方がやっかい

さて、この記事の本題といえる部分です。この道10年以上のベテラン救助隊の方に質問できる時間がありました。ありきたりですが以下のような質問をしました。

救助隊を10年してきて一番つらかったことは何ですか?

「肉体的な人間の限界を感じた」というような回答を予想していたのですが、この質問に隊員の方は、こう答えてくれました。

避難時に指示を受け入れてくれない人達がいることです。

というのも、災害が起こりそうな場所で事前に避難勧告をしに行った際「俺達は大丈夫」と言って警告を聞かない人が多いみたいです(まぁ、警告しなきゃいけないレベルで外にいる奴らなんてそうだよなぁ)。

そう言われたらこちらも何もすることが出来ない。何度説明しても聞く耳をもたないし、終いには逆ギレもされたことがあるとのこと。

救助中では、命に別状の無い人が優先順位の高い人を押しのける姿も珍しくなかったそうです。「自分は大丈夫 or 自分は助かるべきだ」という人間を相手に冷静な救助を実施しなければならないのが精神的に辛いようです。

もちろん緊急事態でパニックになっていることも起因していますが 「人間は自然災害よりもコントロールできない」 と思ってしまう時期も正直あったようです。

20年以上前に話題となった 「玄倉川水難事故」 を思い出す話でした。

報道されていないだけで、似たような事案は各地で他の隊員も経験しているということでした。

ドラマ 「海猿」 でも同じような場面が描かれていた記憶があります。「人間は自然災害よりもコントロールできない」というのは真理のように聞こえました。

本当のヒーロー

このような回答をして頂き、私自身の捻くれた性格も相まって少しいじわるな質問を続けてしてしまいました。

そのような人間の為に体を張ることに対してどう思われますか?私が同じ立場だったら、見捨てたいというのが正直な気持ちなのですが。

それに対し隊員の方は以下のように回答してくれました。

それでも私は人が死ぬのを見たくないです。 どうしても助けられなかった悔しい経験を二度と起こしたくないことと、救助者から感謝されたときに湧き上がる誇りの方が何倍も私達の糧になっています。

善悪よりも、ただ助けたいという気持ちの方が強いという隊員の方の回答を聞いて、本当のヒーローっていうのは、このような心持ちの人に対して呼ぶべきじゃないかなと思ったわけです。