様々なSNSを利用していると必ず自分に敵対する人と出会うことがあります。自分を嫌う人、ネット用語で「アンチ」という存在は切っても切り離せられない存在です。

かく言う私も一度炎上したことがあります。この時は全ての人間から批判されているような気分でした。

さて今回は、そんなアンチに対する考え方を少しでも楽にする法則とデータを紹介し、私のようにクリエイティブな活動をしている人達の心を少しでも軽く出来たらという想いでこの記事を作りました。

目次

「1:2:7の法則」

アメリカ合衆国の臨床心理学者「カール・ロジャーズ」という方が「1:2:7の法則」というものを提唱しています。

数年前にヒットした書籍「嫌われる勇気」の中でも紹介されています。

内容は至ってシンプルです。

  • 10人のうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判するし、あなたを嫌ってくるし、こちらもその人を好きになれない
  • 10人のうち2人は互いに全てを受け入れ合える親友になれる
  • 残りの7人は、どちらでもない人々だ

というような心理学の考え方です。

要は1人の自分を嫌う人間だけを見て「私はみんなから嫌われている」と考えてしまうのは危険だよということです。

実際に統計を取って得た数値ではありませんが、この法則で大事なことは、あなたを嫌う1人に注目するのか、好きな2人に注目するのか、その他大勢の7人の注目するか。

どれを意識するかで見える世界が違ってくる。端的に言えば1人だけを見るのは誤りで、自分の人生を狭める原因になるよという価値観を説いたものです。

本当にやばいアンチは0.5%以下しかいない

そんな自己啓発みたいな内容はいらないと思う人がいることでしょう。実はこの「1:2:7の法則」が的を射た法則だと証明できる論文があるのです。

慶應義塾大学経済学部「田中辰雄」准教授の「炎上への対処‐牧歌時代の終わり‐」という論文の中で「炎上を起こす人はどれくらいいるのか」という項目があります。

結論から言うと、現役の炎上参加者(過去1年以内で炎上しているところに1回以上書き込みを行っている)は0.5%程度であると結論付けられています。

更にそこから相手へ直接攻撃をしてくるような人は、その数%にしか満たないという結果だそうです。

炎上に参加する人はインターネットユーザの0.5%程度であり、一つの炎上事件でほぼ数千人検討と見積もれる。このうち複数回書き込みを行っていて、当事者に直接書き込みを行う可能性が高い人は数%で、比率で言えば0.0X%のレベル、人数にすれば数百人程度となる。このなかからさらに一部の人が実際に書き込みを行うので、炎上当事者に対して直接攻撃を行うのは数十人程度となるだろう。

中略

結論は次のように要約できる。炎上時に書き込みを行う炎上参加者は全インターネットユーザの0.5%程度とごく少数である。さらに直接に当事者に向かって書き込むような人はさらにその数%程度と推測できる。インターネットの拡大にともない、大きな負の外部効果をもたらす人がごく一部であっても登場するのはやむをえない。

暇人は相手にしなくていい

以上のことから「1:2:7の法則」というのは理に適う考え方であり、決して精神論だけでは無いと捉えていいはずです。

先の論文の中でも

炎上事件が起こると書き込みは非難一色になり、まるですべての人から攻撃を受けている印象が生じる。しかし、実際に書き込んでいる人はごく一部である。

と、「1:2:7の法則」と同様のことが記述されています。

人によって嫌われている・自分のアンチだという認識に差があるはずなので「俺のこと嫌っているやつは全体で半分以上いる!いや、世界全部敵だ!」と思う方もいるかもしれません。

しかし今回の紹介した法則やデータを頭の片隅に入れるだけでも心が楽になると思います。

もし「自分を嫌っている人が少ない」ということを受け入れるのが難しければ「半分以上は敵でも味方でもない」という見方も出来ます。

要は相手にする必要がないのです。だって0.5%しか、1人しかいないような構ってちゃんがアンチの正体なのですから。

漫画「宇宙兄弟」27巻の「発する言葉」という回で、ありもしない噂で炎上した宇宙飛行士の処遇をどうするか揉めるシーンがあります。

その際、JAXA理事長「茄子田 シゲオ」というキャラが、以下のような名言を言います。

我々は世間の誹謗中傷やクレームのようなものをいささか気にしすぎではないでしょうか。人の悪口というのは、 仲間内で言う人は「凡人」 口に出さない人は「賢人」 不特定多数に向けて発信する人は「暇人」ですから