「余計な事はしない」という重要性
Twitterを眺めていると以下のようなツイートがありました。
If nothing is displayed above this, "Tweet ID:1386816889276436482" has been deleted.
この内容、本当に大事だと思います。特に新入社員。その中でも更に「自分は役に立ちたいんです!」という思いのある人。
そういう人ほど「余計な事をしない」ことの重要性を知るべきだと思います。
というわけで自分の失敗談を例に「余計な事をしない」ことがなぜ重要なのか書いていきます。
目次
「良い仕事した」と思ったら「余計な事」をしてしまった話
私が転職して間もない頃、ある現場に配属された時にやってしまった失敗談です。
あるcsvファイルを様々なExcelファイルや開発ツールに読み込ませる工程がありました。csvファイルとかに馴染みがない人は、とりあえず大事な数値が色々書かれたデータファイルだと思っておいて下さい。
で、その読み込ませる方法が手作業であることと、データを目視する時にcsvファイルのままじゃ大変見辛いという、正直くそめんどくさい作業があったわけなんです。
この作業をなんとか楽できないものかと考えていました。そこでVBAを勉強してcsvから必要なデータを読み込み、見やすい表データを作成、そこから必要なデータを各Excelやツールに渡すマクロを作成したんです。
VBAとかマクロとかわからない人は、平たく言うと手作業を全て自動化したんだなって思ってください。
このマクロを作成してから数時間掛かっていた作業が1分も掛からず終わり、別の作業の着手や同僚の手伝いに時間を使えるようになりました。
当時は良い仕事をしたなぁと自分を褒めていたくらいです。ところが、完成前のテスト段階で仕様通りの結果にならない自体が発生しました。
調べた結果、読み込まれている数値が誤っていたことが判明しました。数値が誤っていた原因は、私が作ったマクロによって読み込まれたcsvファイルの内容が、Excelの仕様によってで意図しない数値に丸められていた(桁数が変わっていた)からでした。
幸い作業のやり直し範囲は少なかったのですが「次からは何かする時に相談してね」と叱られ反省した出来事でした。
ゼークトの組織論
ドイツの軍人「ヨハネス・フリードリヒ・レオポルト・フォン・ゼークト」という人物に関する有名な軍事ジョーク「ゼークトの組織論」をご存知でしょうか。
【ゼークトの組織論】1
軍人を4つのタイプに分類する「ゼークトの組織論」と呼ばれる軍事ジョークがあり、ゼークトが以下のように語ったとされる。人間の資質は以下の4つの要素に大別できる。その4要素とは<利口><愚鈍><勤勉><怠慢>である。軍人としては、そのうちの2種類の組み合わせで以下のような適性に振り分けることができる。
- 利口で勤勉 - 参謀に適している。
- 利口で怠慢 - 指揮官に適している。
- 愚鈍で怠慢 - 命令を忠実に実行するのみの役職に適している。
- 愚鈍で勤勉 - このような者を軍隊において重用してはならない。
ゼークトの組織論は現代のビジネスだと以下のように当てはめられます。
【無能な働き者】2
- 「有能な怠け者」…有能なので物事の判断に優れる。また、怠け者なので人を動かす事に長けており、組織のトップや司令塔、チームのリーダーに立てるリーダータイプの人である。
- 「有能な働き者」…有能なので物事の判断に優れるが、働き者なので人に任せる事はしない。よって参謀や秘書等のサポートする職などが向いている。
- 「無能な怠け者」…自分で適切な判断が出来ないので、自分からは動こうとしない人である。よって下級兵士や連絡将校の他、作業員や肉体労働者といった命じられた通りに動く職に向く、どこの世界でも大多数の人で、どこの世界でも一番数が必要な存在。
- 「無能な働き者」…自分で適切な判断も出来無いのに、自由意思で勝手に動き回る人。組織にとって悩みと不安の種である。
先程述べた失敗談は「愚鈍で勤勉」。つまり「無能な働き者」の典型的な例だったと言えます。めんどくさくても手順を守っていれば、あの時の仕事で余計問題は発生しなかったのです。
良かれと思って、何か役に立ちたいと思ってやったことが、結果的に周りの足を引っ張ってしまいました。適切な判断が出来ないのに勝手に動いたからです。
なので、私から今年の(やる気のある)新社会人に対してアドバイスしたいことは「まず始めは言われたことを出来るようになろう」ということです。
余計な事をしないことは、決して怠けていることでは無いのです。
ならば指示待ちしていればいいのでは?
しかし、自分がやる気のある無能だとしたら「指示だけ聞いて動いた方が問題ないんじゃね?」と思う人もいるでしょう。上司の人ならばゼークトの組織論を真に受けて「無能な働き者には仕事させない!」という発想に至るかもしれません。
ゼークトの組織論から学ぶべきことは、そういう切り捨てた発想ではなく
- 適切な判断が出来ないうちは勝手に行動しないこと
- 良い案を思いついたなら有識者へ相談を持ちかけること
- 「報連相」がしやすい環境にすること
ではないでしょうか。
これらの条件を満たせない場合、特に新人であれば「余計な事をしない」というのも大事な事だと私は考えます。
やる気のある無能を害と決めつけるのではなく、正しい判断が出来るよう動くこと。周りもそれを育てる環境を意識することが大切だと思いますよ(そもそも話を聞かないとかならクビにしていいと思うけど……)。
ついでなので昔「報連相」に関して書いた記事を張っておきます。参考にしてください。