「ガチマもリグマみたくブキ選択できるようにしろ」には賛成できない
スプラ2で度々挙がる不満といえばマッチング関連が多いですよね。弱い味方が来たとか、スペシャルの差で負けたとか。そんな中でも編成負けに対する不満をよく見かけます。編成負けでツイッター検索してみれば「塗れないブキで偏っていた&チャージャーが来たせい」のように、ハッピーセットのごとく定番な文句となっている光景が広がっていました。
で、本題はここからなんですけれども、編成負けで納得いかない人が出している代案で「ガチマもリグマみたいに、チーム組んだ後でブキを選択できるようにすべき」という意見があります。スプラやっている人であれば、一度はそんな意見を目にしたことがあるでしょう。さて、この代案ですが、どちらかといえば私は反対です。そして、取り入れたところで上位勢同士のマッチングでしかメリットは無いだろうなという予想をしています。
というわけで今回は「なぜガチマでブキ選択制を反対するのか」について意見を述べていきます。
無言即ピック&ロック問題
冒頭で紹介した代案から期待されることは ”「編成負け」が発生しにくいことである" と仮定して話を進めます。
ところで、リグマのような試合前に選択を行うフェイズが設けられているゲームは色々あります。世界一有名なeスポーツと呼ばれているLeague of Legends(以下LoL)では、試合が始まる前に「レーン」という道を選択するフェイズがあります。
- リーグ・オブ・レジェンドの主な戦場であるサモナーズリフトには、「レーン」と呼ばれる道が存在します。レーンは3本あり、それぞれにトップ、ミッド、ボットと呼ばれています。レーンは敵の本拠地へとつながっており、レーンを進軍することで敵の本拠地を攻撃できます。
- レーン上にはタワーと呼ばれる要塞が配置されており、強力な攻撃で近づく敵ユニットを撃退します。3基のタワーを破壊していくことでそのレーンを攻略し、敵の本拠地に近づくことができます。
- タワーは射程範囲内に侵入してきた敵ユニットを攻撃します。ミニオンがいる場合はミニオンを優先的に攻撃しますが、ミニオンがいない場合はチャンピオンを攻撃します。
- あなたが敵タワーの射程範囲内で敵チャンピオンを攻撃すると、周囲のミニオンの存在に関わらずタワーはあなたを攻撃してきます。
- 敵のタワーを破壊するためには、自軍のミニオンを盾にして接近し、攻撃することが肝心です。自軍のタワーの攻撃範囲を、安全地帯として利用することもできます。
- リーグ・オブ・レジェンドでは最終的に相手の本拠地にあるネクサスを破壊したチームが勝者となります。そのためにはレーン上のタワー、本拠地に設置されたインヒビターを順番に破壊する必要があります。
「レーン」を選択することは、リグマでいう「みんな何のブキ選ぼうか?」と同じ様な場面です。そしてLoLの間では無言即ピック&ロックという行為がプレイヤー間で問題視されています。以下のサイトがとってもわかりやすい説明でしたので引用します。
ゲームの種類を選択した後にマッチングが成立すると、チャンピオンピックが始まります。この際に、自分の行きたいレーンをチャットで宣言します(コール)。
・A:MIDいくわ
・B:TOP
・C:ADCで
といった具合に各々が希望をだします。
(~中略~)
ピック開始直後に即ロックインする人がいます。
これは他の誰のことも考えずに「俺これで行くから」
と一方的に決める行為になります。
他の人に選択の余地を与えられないので、
もめることがあります。(主にコールの早い人と)
・A:※MID即ピック※
・B:MID(コール一番だからMIDできる!・・あれMIDとられてる)
・B:WTF
ここでBさんは悲しみに暮れるわけです。
またこれのもっと悪いパターンが、
コールしている人を無視してロックインすることです。
・A:JG
・B:※おもむろにJGをピック&ロックイン※
・A:WTF
これはよくないです、
最悪意地の張り合いが発生し、
2JGなんて事にもなりえます。
このように「ある選択フェイズで味方との連携を全く考えず一存で決めてしまう行為」を無言即ピック&ロックと呼ばれます。キャラクターを選択するパターンのゲームでも似た事例があります。例えば「Overwatch」ではDPS即ピ、「Paladinsではダメフラ即ピと呼ばれめちゃくちゃ嫌われてる行為です。
これらも先程の「レーン」と同様で、キャラを選択する際には仮ピックという「自分はコレを使いたいです」という意思表示が出来ます。なんならチャットも利用できるので、明確な希望や相談を持ちかけてから選択することだって出来る"はず"なんです。
しかし残念なことに、それらを全部無視してキャラを決めやがる(即ピックする)プレイヤーが少なくありません。しかもそういう奴に限って弱い。稀にそのキャラだけを極めに極めた強者だったりすることもありますけれど……。個人的に今まで出会った即ピ行為は低レベル帯であるほど遭遇率が高いと感じます。下手すると「troll(荒らし行為)」なんて単語が飛んでくるかもしれません。
スプラのガチマだったらどうなるでしょうねぇ。「俺はイカ忍ローラーでリスキルしかしねぇ」というキルレ厨がローラーを即ピし、それの帳尻を合わせる為のブキを選ばざるを得ない未来が目に浮かびます。ナワバリみたいにランクが関わらないなら別に気にしませんけど、ガチマであれば相当嫌われますね。
選択制は周りに合わせようと試みるプレイヤーが集まれば真価を発揮するものです。考えてもみてください。試合中ですら連携しようとしない野良が多いスプラにおいて、ブキ選択時に相手のことを考えて選ぶ野良なんか多いわけないでしょうよ。そもそも最初からそんな気遣い出来るプレイヤーが低レベル帯に存在しているとは考えにくい。
上手い人同士だからこそ、周りのことを考えて行動が出来るんです。ゆえにリグマのようなブキ選択を取り入れても”低レベル帯の野良では”上手く機能しないと思うのです。ゆえに上位勢のマッチングでしかメリットがないという予想に至りました。
好きなブキが選べなくなる問題
といっても、代案を”「編成負け」が発生しない(しにくい)ことである” と仮定しているので、自分のブキ選択で編成負けが発生しにくく出来るのであれば先程のイカ忍キルレ厨のような例は大して問題無いでしょう。しかし、私がこの代案でもっとも反対したい理由は「好きなブキが選べなくなる」ことです。
例えばですけど、ご存知の通り私の持ち武器はスパッタリー系です。スパヒューを使ってガチマに挑みたかったとしましょう。もしマッチングした味方が近〜中距離のブキばかり選択してきたならば、スパヒューは選びにくいです。なぜなら編成のバランスを考えると長距離、またはスパヒューよりも塗ることが出来るブキにしなければバランスが悪くなるからです。
もし無視してスパヒューを選んだとしたらどうでしょう。他の人からすると「なんで役割が被るブキ選ぶんだよ!お前のせいで糞編成になったろ!」と言われてしまうかもしれません。「コイツが編成を考えずにスパヒュー選んだから負けた」といって晒す奴もいそうです。
チャージャーが持ちブキの人は、先にチャージャー系を選んだ味方がいた場合、流石にチャー2はマズイだろうと躊躇しませんか。SPのアーマーが被っていたら他のSPで代替えしなければと、本当は使いたかったブキがあるのに諦めざるを得ない展開が予想できませんか。
今のシステムによる最大のメリットは「試合開始時まで誰がなんのブキを持つかわからないからこそ自由にブキを持ち寄れる」ことです。
このお陰で好きなブキのみでガチマッチに潜ることが許されているとも考えています。私自身、スパッタリーのみでガチマッチをしてきたプレイヤーですし、もしブキ選択制でも頑なにスパを使っていたら「味方のことを考えないスパッタリー野郎」と晒されていたかもしれません。ましてや別のスパッタリー以外を使ったら弱いので変えろと言われても凄く困る。
といっても今の仕組みでさえガチマでソイチューバーを持ってくるななんて批判が飛びかっているんですから、ブキ選択制にするとソイチューバーを選んだ味方がいた時点で回線を落としてくる奴も出てくるでしょう。
したがって、リグマのようなブキ選択をガチマでも導入された場合、好きなブキを選べなくなってしまうことが2つ目、むしろ私の中では最大の反対理由ですね。
どうせ新たな負けた理由を叫ぶだけで解決しない
以上のことから、リグマみたいなブキ選択をガチマで導入したとこで余計にプレイヤー同士の溝が深くなるだけでかと思われます。また、この仕組みの中で勝ち上がろうとするのであれば……
- 臨機応変に様々なブキを使えるようにしておく(一番無難だが、これが出来る時点で凄い)
- 得意ブキを究極的に極めてゴリ押し出来る程の実力を得る(負けたら編成的に見て戦犯扱い)
という覚悟がいるかもしれません。
まぁ、どうせどんな仕組みを導入しようとも、チャージャーまたは弱いブキを選んだ奴のせいにするのが底辺味方晒しプレイヤーじゃないですか。たとえ編成が良くても負ければ何かと理由を探しだして他人を戦犯として吊るすし、チャージャーがいればとりあえず全部責任を押し付けるだけじゃないですかね。それにしてもチャージャー可哀想だな……。
そもそも、こんな代案を考える暇あったら「最初から編成で左右されにくいブキを持っていけよ」としか思わないんですけど私だけなんですかねぇ……。スパッタリーだけでやってきた身としては編成差なんて当たり前の中でXになりましたし。愚痴って発散するだけなら全然良いですけど、いつまでも負けの理由を編成に決めつけてリザルト晒してるうちは、ウデマエなんか一生上がらんでしょうに。