以前の記事で、私がマックでバイトをしていた話をしました。

 

その後、私はトレーナーという役職に就くことになりました。

トレーナーとは、簡単に言うと新人さんに仕事を教える専門的な役職です。

それに昇進した当初、当時のマネージャーから人への指導の仕方について教わっていました。

その中でも『人の褒め方』について今でも印象に残る素晴らしいことを学ばせてもらいました。

今回はそのことについて話していきたいと思います。

 

 

評価を伝える行為"フィードバック"とは

部下などのレビュアー(評価を受ける人)に対して何かしらのリアクションを取る行為をフィードバックと呼びます。
フィードバックとは、業務内での行動などを評価した結果を、その行動した人や会社に対して伝え返すことをいいます。

フィードとは英語で「Feed」です。

Feedの意味は食べ物を与える、つまり栄養を与えることを意味します。

「Back」は「返す」ですね。

フィードバックする内容は、どんなものであっても返される側にとって活かせるもの、糧になるべきものという意識が大切です。

フィードバックは評価する側が、評価される側のモチベーションを上げ、能力を向上させるために行われるものなのです。

引用:https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/43117

 

学校の通信簿などもフィードバックの1つですが、今回は口頭でのやり取りを想定したフィードバックについてです。

分類すると2種類あり、良いフィードバックが2つ悪いフィードバックが2つ、合計で4つのフィードバックが存在します。

 

 

良いフィードバックとは

【良いフィードバックその1:ポジティブなフィードバック】

ポジティブなフィードバックとは、評価者の行為に対して前向きな言葉をかけたり褒めたりすることを指します。

例1:テストで100点取った子供に『よく頑張ったね』と言う

例2:雑務をこなしてくれた部下に対して『とても助かったよ』と言った労いの言葉かける

 

 

【良いフィードバックその2:改善のフィードバック】

改善のフィードバックとは、評価者の行為に対して良い方向へ導くことを指します。

 

例1:絵を描いた人に『この部分を大きくした方が見栄えがよくなるんじゃないかな』と改善点を指摘する

例2:部活の後輩に対して『もっと相手の動きを観察した方がいい』と言ったアドバイスをする

 

 

ここで1つ注意点があります。

ただ単に良いフィードバックを使えば良いというわけではないのです。

単純に『良かったね』『凄いね』『いいね』と言われても評価者はピンときません。

この辺は女性がよくわかるんじゃないでしょうか。

ただ単純に『綺麗だね』と言われても嬉しくないでしょうし。

もし使う時は

 

・フィードバックする内容を具体的に示す

・ポジティブと改善のフィードバックを織り交ぜて使う

 

この2つを意識することが最も効果的です。

特にポジティブなフィードバックに関しては具体的に提示すべきです。

『○○が上手だね』と、どこが良かったか評価者へ明確に伝えることで真価を発揮します。

改善のフィードバックは単体だけで非常に有効ですが、改善の前か後、あるいは両方にポジティブなフィードバックを添えると良いとされます。

『君は仕事の早さは社内でも1番だよ。ただ1か所ミスがあったから、提出前に見直しの時間を設けても問題ないよ。これができれば、この業務は君が一番頼りになるよ。』

こんな具合ですね。

 

 

悪いフィードバックとは

【悪いフィードバックその1:ネガティブなフィードバック】

ネガティブなフィードバックとは評価者の行為を責めることを指します。

例1:『その仕事まだできてないの?』

例2:『君が作るものは本当に下手くそだね』

 

ネガティブなフィードバックの中でも特に最悪なのは『人格を否定するフィードバック』です。

『こんなこともできないからお前はダメ人間なんだよ』という問題の本質と関係ない部分を突く行為です。

 

【悪いフィードバックその2:フィードバックをしない】

実は、最もやってはいけないフィードバックはネガティブなフィードバックではなく『フィードバックをしない』ことです。

なぜなら、『無関心』であることが一番、状況も変わらないし改善もされない、成長もしないし何も前に進まない行為だからです。

自分で気づくことが大事だという反論もあります。

それは私も賛成派なのですが、時と場合を間違えると対象者のメンタルが手遅れになる可能性が高いのです。

悪いフィードバックを行う上司や親は控えめに言っても『失格』です。

1度や2度であれば『自分のために叱ってくれたから、がんばらないと』となるでしょう。

しかし、何度も叱責されうまくいっても何も反応を貰えなければ、受ける側は相手を嫌うようになってきます。

そうすると段々、耳を貸さなくなります。

そして自分の行動を改めようとする努力をしなくなります。

最終的にパフォーマンスは落ちていき『何もできない人』になってしまいます。

私の部下や子供は何もできない、やらないのであれば、それは指導する立場の人が作り上げてしまった可能性が高いです。

重大なミスは確かに叱責しなければなりません。

ですが強い言葉である必要はありません。

難しいかもしれませんが、最適なタイミングでその人を尊敬しながら褒めると、驚くほどに人は伸びます。

良い上司、良い親というのは『褒め上手』でもあるんです。